京調BLOG

調理技術教育学会/今西先生・中川先生が登壇!(2023.8.10)

本校で開催された調理技術教育学会(第4回)の特別講演として本校教員の

中川先生・今西先生による「22世紀鯛」を活用した調理技術デモンストレーションが行われました!

この数ヶ月間、

京都府を代表するスタートアップ企業、リージョナルフィッシュ株式会社から22世紀鯛を仕入れ、研究を深めてまいりました。

【背景】

我が国の総人口は、2048年には9913万人となり、1億人を割り込むと推計される(国立社会保障・人口問題研究所推計)。一方で、世界の人口推移に目を向けると、途上国を中心に急激な人口増加がみられ、2058年には世界の総人口は100億を超えると推計される。このような状況下、飢餓人口推計値は減少することは無く、世界で約8億3000万人が飢餓に直面している(「世界の食料安全保障と栄養の現状2022年版」より)。今後、人口増加と地球環境の制約により、世界規模でのタンパク質不足が進み、近い将来、タンパク質クライシスが起こることが予測されている。

【目的】

日本の水産物生産量は、この30年間で半減し、国内の水産業就業者も減少・高齢化が進んでおり、利益率の向上や生産性の効率化を進めなければ、日本の水産業は衰退の一途を辿る可能性がある。このような課題を解決するための水産養殖の技術革新である、ゲノム編集技術のナノジーン育種により開発されたリージョナルフィッシュ株式会社の「22世紀鯛」を、我々が培ってきた和・洋それぞれの調理技術と、「22世紀鯛」の特徴を活かした調理方法を提案する。そして、その優れた品質を「美味しい料理」からアピールし、22世紀鯛の認知度と需要を拡大することで、タンパク質クライシスや日本の抱える水産業の問題解決の一助となることを目的とする。

【調理方法】

22世紀鯛の特徴は以下の通り。

・肉厚で加熱してもふっくらと柔らかい

・味が淡白でクセが無く、繊維が緻密

・養殖魚特有の脂臭さが無い

これらの特徴を活かし、和・洋2種類の調理方法を提案する。

「和」22世紀鯛の東寺巻き焼き

作取りした鯛の上身は、利尻昆布で2時間程昆布締めにし、その後適宜に切り分けて薄く塩をふり、木の芽を添えて湯葉で巻いたものを高温のオーブンで短時間焼く。淡白な食味を活かし、軽い昆布締めにすることで昆布の風味と鯛の持ち味がバランスよく味わえる。また、養殖魚に多い脂臭さが無いため、湯葉や木の芽の香りが引き立つ。

「洋」22世紀鯛の加熱調理

(ポワレとパイ包み焼き)

22世紀鯛の特徴である、臭みがなく肉厚の身質を活かす調理として、パイ包み焼きを選択した。フィレはそのまま包み込み、骨の間の剥き身やカマの部分でムースを作り、アラで出汁をとり、ソースに仕上げ22世紀鯛を主張できるパイ包み焼きにした。同サイズ(重量)の養殖鯛で調理した際の、歩留まりと仕上がりを比較検討した結果を報告する。また、22世紀鯛の身質を活かす加熱法(ポワレ)について、検討した結果を提案する。

 

第4回調理技術学会のその他の発表はこちら!

「ミレニアル世代から見る調理業界の魅力」本校の田中幹人副理事長がモデレーターに(調理技術教育学会学術大会)

本校教員が調理技術教育学会第4回にて研究成果を発表しました!(調理技術教育学会第4回学術大会)

SDGs・業界貢献活動 お知らせ 学科・授業紹介 学校のこと 京調校の先生たち

-->