これから料理業界で働くにあたり、どのような資格を取得するべきか迷っていませんか? 料理に関する資格は、調理師以外にも、さまざまなものが存在します。例えば、外食産業でスペシャリストとして扱われる資格や、ある特定の分野に特化した専門資格などさまざまです。今回は、食に関連する資格をご紹介すると共に、資格を取るメリットについても解説します。
目次
料理に関する資格を取得して仕事をするには、調理に関する技能を学ぶことも大事ですが、調理にまつわる歴史や衛生、安全に関することなども、知識として学んでおく必要があります。
ここでは、料理に関する資格を取得する際、どのようなことを学ぶのか全般的にご紹介します。
料理に関する資格を取得するには、調理にまつわる歴史についても学んでおく必要があります。なぜ、食に関する専門資格を取得するのに、先代が築きあげた歴史を学ぶ必要があるのでしょうか。それは、調理を本質から理解するための基礎となるからです。
和食や日本料理、フランス料理、イタリア料理など、一言に料理といっても、その分野は多岐にわかれており、それぞれに深い歴史があります。その歴史や文化、風土、慣習について明確なことを理解せずに、その土地の食材を使い調理しても上手く素材の魅力を活かすことはできません。
また、日本の食文化と海外の食文化はまったく違います。そのため、日本料理と外国を発祥とする料理を理解するには、歴史や風土なども理解する必要があります。食の歴史を学べば、食材に用いられる素材の役割を理解できます。そして、その国ならではの食材の魅力を活かし、自分なりのアレンジで料理できるようになるでしょう。
食の資格を取得するには、調理に必要な知識を学ぶ必要があります。料理人になれば、米や小麦、大麦、トウモロコシ、大豆など、多種多様な食材を扱います。これらの食材を適切に扱いお客さまに提供するためには、それらの特徴や調理による変化など、さまざまなことを知っておくべきでしょう。
現在、世の中には、数多くの食材が出回っています。日本においても、国産の食材から外国産の食材まで、日本国内には、さまざまな食べ物が輸入され人々の口の中に入っています。これらのような多彩な食材を扱うわけですから、有資格者としての正しい食材の知識や見解が求められます。
また、お客さまに安全な食を提供するには、衛生法規などの法律も学ぶ必要があります。また、世の中の健康志向が高まれば高まるほど、毎日の食の重要性が認識されるようになります。調理に必要な知識を駆使しながら、社会の要請に的確に答えていくことが、有資格者としての役割ともいえます。
調理師は、栄養バランスのとれた食事を作るために、献立作成から素材選びまで行います。しかし、それだけでは、お客さまに美味しい料理を届けることはできません。そこで大切になるのは、準備調理操作を終えたあとに実施する調理操作です。
この調理操作は、料理人によって大きな差が出やすいものです。なぜなら、料理に関する資格を取得していても、現場での経験年数などによって、料理人固有の技から作りだされるものが、明確に異なるからです。
プロの料理人としての包丁や鍋、調味料の扱い方、調理の技を学ぶことで、食材本来が持つ美味しさを最大限に引き上げることができます。科学的な根拠にもとづいた、調理のコツや食材の取り扱い方について理解することは必須です。
包丁の種類や取り扱い方法、基本的な切り方、野菜の乾燥方法、下処理の仕方などを反復練習することで、調理技術や包丁技術を、知識と技の両面から習得していきます。
料理に関する資格は、公的に認められた国家資格や、調理に関する知識や技術を保証するための民間資格まで、実にさまざまです。これから食に関する勉強を重ねることでどのような資格を取得できるのでしょうか?ここでは、その概要をご紹介します。
調理に対して専門的な知識を持ち、十分な調理技術を持つ者として、都道府県知事から免許を受けた国家資格です。
調理師法の改正により、飲食店を開業する際は、必ず調理師免許を有するものを置かなければいけないという努力規定が設けられました。これにより、有資格者を在籍させることが必須となっている職場が増加しています。料理人の道を目指すなら、真っ先に取得すべき資格です。
調理師免許の取得方法や受験資格、勉強方法、合格方法については、こちらの記事をご覧ください
【2021最新・徹底解説】調理師免許の取り方・受験資格・勉強方法・合格方法までを徹底解説
ふぐには、テトロドキシンという毒が含まれており、万が一、これを人間が食べてしまった場合、死に至ります。そのため、テトロドキシンが含有する位置やふぐの種類を正確に把握し、調理するには、ふぐ処理師免許が必要です。
ふぐ処理師免許は、都道府県ごとに定められているため、受験する場所によって試験の難易度が異なります。そのため、京都府で受験すれば、京都府に限定してふぐの調理ができます。
ふぐ処理師免許の取得方法や試験情報などについては、こちらの記事をご覧ください。
ふぐ処理師免許の取得方法は?取得のメリットや試験情報まで解説
お菓子・パンづくりのプロである「製菓衛生師」は、菓子製造業に従事する人の資質を向上させ、製菓衛生の向上を目的とした厚生労働省が認める国家資格です。
お菓子やパンづくりの仕事を目指す人にはとても重要な資格になります。
料理人として働きたいと考えているみなさんの中には「お菓子の知識が必要なの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、例えばコース料理の最後には必ずといっていいほどデザートが出てくるなど、調理師の職場においても「お菓子」は非常に深く関わっています。製菓・製パンを学ぶことで、料理との相性を考えながらデザートを考案することができるなど、夢や就職先がさらに広がります。
京都調理師専門学校では、「調理師免許」と「製菓衛生師免許」の両方を目指せるコースがあります。詳しくはコチラをご覧ください。
食生活アドバイザーの資格を取得すれば、食べる行為を生活の視点で考えることができます。食に対して広い知見を持ち、トータル的に考えられるため、健康的で栄養バランスがとれた食事をとるにはどうしたら良いのか、具体的な提案ができます。
充実した食生活を行うという目的で、食生活アドバイザーへの需要が高まっています。子どもから大人まで、幅広い年代に対し、食生活アドバイザーは食生活全般のスペシャリストとしての活躍が期待されています。
レストランサービス技能士とは、社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会が実施する試験に合格することで取得できる資格です。レストランサービスに関する知識、食品衛生法、食品や西洋料理、宴会などに関する知識などを幅広く習得したことを証明できます。1級~3級があり、1級には英語とフランス語の会話能力、ワインサービスの提供などハイレベルな知識が求められます。
京都調理師専門学校では、レストランサービス技能士の資格を目指すことができます。詳しくはこちらをご覧ください。
NPO日本食育インストラクター協会が認定している民間資格です。食育インストラクターを取得すると、食育の指導者として高い評価が得られます。
食育インストラクターには、プライマリーのような誰でも受験できるものから、専門的に勉強しなければ受験できないものまで、5段階に分かれています。
フードコーディネーターの資格を取得すれば、食材の仕入れや料理作り、店舗設計、新メニューの開発、イベント設計まで、フードビジネスに関するありとあらゆることを手がけることができます。1級~3級があり、2級以上が特に重宝されます。
一度資格を取得すれば、料理教室の講師としての依頼を受けることも夢ではありません。これから料理業界の幅広い分野で活躍していくことを望んでいるなら、取得しておくと良いでしょう。
ジュニア野菜ソムリエの資格を取得すると、野菜や果物の魅力を個人として実感し、日々の生活に役立てることができます。一般的には、野菜ソムリエという名称で広く知れ渡っていますが、初級や中級、上級にわかれており、それぞれ試験の難易度は、大きく変わります。
試験に合格し、ジュニア野菜ソムリエからさらに上級の資格を取得できれば、野菜の知見者として、テレビや雑誌、ラジオから取材を受けることもあります。資格の難易度も高く、誰でも合格できるわけではないため、周囲にも評価してもらいやすいです。
将来的には、ベジタリアンやヴィーガン向けの専門店を開業することも夢ではありません。ジュニア野菜ソムリエの資格が、店舗経営の大きな支えとなるでしょう。
食の資格について、今以上に上を目指していきたいのなら、難関試験の受験をおすすめします。これから紹介する資格は、一般的な調理に関する資格よりも難易度が高いため、より深く知識や技術を磨き上げ受験にのぞむ必要があります。
どれも専門性が高く、将来、あらゆる方面で活躍できる資格なので、ぜひたくさん学んで、取得を目指して頂きたい資格です。
調理師養成施設で2年以上にわたって、調理や食品、経営管理、栄養、衛生に関する必要な知識を学び、高度な調理技術を習得することで、はじめて食品技術管理専門士になれます。
別名フード・テクニカル・マネージメント・コーディネーターと呼ばれていて、調理のマネージメントやコーディネートについて、専門知識を持つ者として評価されます。そのため、料理の世界で経営コンサルティングを実施する者において、役立つ資格となっています。
文部科学大臣が認めた専門学校の修了者は、条件を満たすことで、専門士の称号を受け取ることができます。専門士とは、大学卒業の「学士」などと同様、最終学歴がどのような学校なのかを表すものです。
専門士には8つの分野が設定されています。
工業 (Technology)
農業 (Agriculture)
医療 (Medical Care)
衛生 (Personal Care and Nutrition)
教育・社会福祉 (Education and Welfare)
商業実務 (Business)
服飾・家政 (Fashion and Home Economics)
文化・教養 (Culture and General Education)
調理師はこのうち、「衛生」に分類されます。ただし、京都調理師専門学校で専門士の資格を取得するには、2年制の上級コースを卒業する必要があります。
現在、調理師養成施設で調理実習を実施する場合は、調理師養成施設指導要領の内容に従い調理師養成施設助手を設置する必要があります。調理師養成施設助手になるには、調理師免許を取得し、2年以上の調理業務または調理実習に関する教育、研究または、実地による指導経験を積まなければいけません。
他にも、調理師養成施設助手になる方法は、いくつかありますが、見事資格を取得できれば、養成施設で助手として調理実習に従事できます。非常にやりがいがあり、料理好きの方にとって、自分を表現できる最適な資格となるでしょう。
フードアナリストとは、食の歴史や背景、独自性、評判、比較、トレンドなど、全体的な視点からの総合的な解説ができる職業です。最上級資格であるフードアナリスト1級に合格するには、高度なテイスティング能力保持者であることが求められます。味を正確に表現できる能力を測る厳格な味覚テストへの合格が必要です。
厳格な試験に合格すると、ミステリーショッパーや食に関する記事の執筆、カルチャーセンターでの講師など、あらゆる場で活躍できるでしょう。
栄養士も調理の世界で役立つ資格です。厚生労働大臣からの免許であり、病人や高齢者、育ち盛りの子どもなどを中心に、栄養と食に関する専門知識を活かして栄養指導や給食に関する業務に携わります。
さまざまなシチュエーションで役立つ国家資格であり、調理だけでなく栄養に関わる深い知識を学習しなければなりません。そのため栄養士の資格は持っているだけで、働ける職場が増えるなど、食に関する資格の中でも、特に有用な資格と言えるでしょう。
栄養士のさらに上級資格として、管理栄養士の資格があります。栄養士として数年の実務経験を積んだうえで、管理栄養士国家試験に合格することで取得できる資格です。
管理栄養士は名称独占資格であるため、独占してできる業務はないものの、栄養士よりもさらに高度な知識と技術を持っていることを証明できます。そのため栄養に関わる知識を求められる食の現場では、とても重宝される人材になれるでしょう。
ほとんどの料理に関する職業においては、資格がなくても従事できるケースがほとんどです。
そのため「資格がなくても大丈夫なのではないか?」と考える人も多いのではないでしょうか。
それならば、なぜたくさんの料理に関する資格が存在しているのでしょうか。
それは料理に関する知識が多種多様であり、一朝一夕では身につかないものだからです。それでは、食に関する資格を取得するメリットについて詳しくご紹介します。
料理の資格を取得すると、就職や転職で有利になります。
たしかに料理の仕事をするのに、ふぐの調理など特殊な場合を除いて、資格なしでも従事できることがほとんどです。
しかしそれでも就職希望者が訪れた場合に、まず基準として見られるのが資格の有無です。
料理に関する資格を持っていれば、その資格の分野について「合格できるだけの知識や技術を持っている」と判断できますよね。
もちろん資格だけが、その人の持つスキルではないことに違いはありません。
しかしながら、日本国内では資格を重要視する傾向があることから、何かしらの料理の資格を持っていることで、就職や転職が有利になることは間違いないのです。
料理の資格を取るためには、研修を受けたり、長い期間の勉強や実務経験が必要です。
そのため単純に資格に関わる分野において、基礎的な知識が深まる点も大きなメリットだと言えます。
当然、働きながらの方が実務に関わる知識や技術は習得できますが、基礎知識を持っているかどうかで理解度は大きく変わってくるはずです。
資格の取得は、就職・転職に活かすだけでなく、料理についての知識の幅を広げるためにもメリットがあります。
ご紹介してきた通り、料理に関する資格は数多く存在します。
その中でも、まず目指すべき資格は調理師の資格です。
たくさんある料理の資格は、それぞれの資格の分野において、プロを名乗るために必要な知識の習得・証明のために役立ちます。
ですが基礎となる土台の資格は、やはり調理師の免許なのです。
料理の仕事も数多くありますが、やはり料理人を目指す方が一番多いのではないでしょうか。
そんな料理人のプロとして認められるための資格が「調理師」です。
調理師の取得には、調理に関する技術や知識だけでなく、衛生に関わる知識まで必要なため、料理人に必須なスキルを持っていることを証明できます。
料理の腕だけを証明するのであれば、調理師の資格は不要かもしれません。
しかし、プロの料理人を名乗るためには、調理に関するさまざまな知識を習得しておくことが重要なため、調理師免許を持っておくことが大切なのです。
料理に関する資格がなくても、外食産業で調理に関する仕事に就くことはできます。しかし、自分の実力を証明するのは簡単なことではありません。何の資格もなければ、どれだけ専門的な知識や技術を有していても、その事実を証明できないでしょう。調理師を含め、料理業界で評価される代表的な資格を取得しておけば、周囲に一定の知識や技術があることを証明できます。
例えば、店舗コンサルタントになる、あるいはテレビや雑誌の料理コーナーで料理を作り指導する立場になりたいのなら、その技術を証明する資格が必要です。最近は、資格がなければ就労できない職場も増えてきているため、勉強できるうちに、多くの資格を取得しておくことを、おすすめします。
今後、自分のお店を開くにしても、高度で専門的な資格を有していれば、料理人としての大きな自信となり、活躍の場が自然と広がっていくでしょう。そして、取得した資格から、自分自身が想像もしなかった仕事に、就くことができるかもしれません。
京都調理師専門学校には、こうした難関な資格も含め、さまざまな資格取得にむけたサポート体制が整っています。難関試験の合格は、非常に難しく、険しい道のりが続きますが、一歩でも夢に近づくために必要なステップです。私たち京都調理師専門学校は、あなたの夢を応援します。
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