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日本料理の心、「出汁」を学ぼう!

出汁
日本料理といえば、「出汁の料理」と言われるくらいに出汁の味を大切にしています。
そして日本人は、様々な料理に出汁を活用しています。

日本料理の核ともいえる「出汁」について、みなさんはどれだけご存知でしょうか?

出汁を取る食材も、カツオや昆布だけとは限りません。
日本人はそれ以外にもさらに多くの食材から出汁を取り、日本料理に活用してきました。

その様々な出汁には一つ一つ異なった味わいがあり、使う出汁によって同じ料理でも味が全く大違ってくるんです。

日本料理を学ぶ前に、日本料理の「出汁」の奥深い世界と文化を学んでみましょう。

出汁とは一体なんなのか?

調理用語辞典を参考にしますと、出汁とは動物性・植物性の材料を煮出したり、水に浸したりして旨味成分を抽出した汁のことを指します。

つまり出汁とは、旨味成分だけを取り出した旨味の塊と言えるでしょう。

この旨味とは、非常に繊細な味覚を育てるものです。
日本人の旨味を感じ取る感覚は、どの国よりも鋭く繊細です。

この旨味の味覚が発達したために、出汁の文化もさらに深く広がっていったのでしょう。

出汁の文化は、現在では海外の人々にも好まれて人気となっています。
そして旨味も、「umami」という日本語そのままの形で世界の料理人に認識されています。

また旨味とは一体何なのかといいます、実はアミノ酸が正体なんです。

出汁を取る食材によって、旨味のアミノ酸は異なります。
ですので、出汁一つをとってもその味わいが変わってくるんですね。

日本料理で使う出汁の食材

出汁と聞いてまず思い浮かべる食材は、カツオや昆布ですよね。

カツオならカツオ出汁、昆布なら昆布出汁と呼ばれます。
そしてこの二つの出汁を合わせた、合わせ出汁というものがあります。

出汁を合わせることで異なる二つの旨味が融合し、さらに深い旨味を生み出すことができます。

カツオと昆布の合わせ出汁は、カツオの持つ動物性の旨味に、昆布の植物性の旨味を合わせており、旨味成分的にも非常に考えて作られたものといえます。

またカツオや昆布以外にも、煮干しや干し椎茸の出汁は日本料理でよく使われますので覚えておきましょう。

出汁は取り方で味が変わる

出汁は食材毎に味が変わるのはもちろんですが、出汁を取る順番でも大きく味が変化します。

出汁は基本的に二回取ることができ、
一度目に取った出汁を一番出汁、二番目に取った出汁を二番出汁と言います。

一番出汁は、食材の旨味成分がギュッと凝縮された濃い味となっています。
この一番出汁は、出汁の旨味や味が際立っているので、出汁の味をしっかりと感じられるお吸い物や茶わん蒸しといった料理に使用します。

二番出汁は、一番出汁を取った後に取る出汁のことです。
一番出汁に比べ、二番出汁は出汁の味わいや香りが少なくなっています。
ですので、二番出汁はしっかりと味付けをおこなう煮物やみそ汁に使用します。

出汁の取る順番でも旨味の違いがあることを発見し、その出汁を上手く活用する方法を見つけた日本人の味覚と感性は、本当に素晴らしいものですね。

日本料理は、「出汁」という命があってこそここまでの発展と進化をしてきたと言っても過言ではありません。
日本料理に欠かせない「出汁」の文化を学ぶことで、さらに日本料理への理解を深めることができるでしょう。

みなさんも日本料理を学ぶ際には、出汁の文化も一緒に学んで、日本料理の真髄に迫っていきましょう。

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