日本料理に欠かせない和包丁の魅力についてご紹介いたします。
2017年7月26日
私たちの国、日本の伝統料理である日本料理。
和食とも言いますが、和食という言い方は海外の料理である洋食という文化が入ってきたころから、対比として使われ出したそうです。
でも最近は日本料理と和食のどちらでも海外でも通じるほどに人気が出てきています。
その職人の繊細な技術や盛り付けをされた料理の美しさ。そして口に入れたときに感じる素材の味。
また、低カロリーで体にも優しいというのは、誰にとっても嬉しいことです。
それらが世界各国に評価され、日本料理は海外に進出しています。
そしてその日本料理を作る際に重要な道具である和包丁というものがあります。
今回はその和包丁についてご紹介いたします。
和包丁と普通の包丁の違い
包丁なんてみんな同じじゃないの? と思われる方もいるかもしれませんが、和包丁は一般の家庭で使われているような普通の包丁とは違う点があります。
それは片刃か両刃かという違いです。
剣や槍などの武器で両刃というと、上下どちらにも刃がついている武器のことを指します。
逆に刀や薙刀は片刃と呼ばれ、下側にのみ刃がついています。
包丁の場合は、刃は下方向にしかついていませんが、包丁を正面から見たときに違いが判るでしょう。
左右両方から刃先にかけて鋭くなっているのが両刃の洋包丁と呼ばれる種類。一般家庭で使われるような包丁は大方この洋包丁になります。
そして、片側は真っ直ぐになっていて、もう片方から刃を作るように鋭くなっているのが片刃の和包丁になります。
ほんの少しの違いですが、この違いが日本料理に欠かせない繊細な作業を可能にしているのです。
包丁の特徴
和包丁をよく使うのは、刺身などで使う魚を切る時です。
魚を洋包丁で斬ってしまうと細胞を押し潰してしまい、潰れた細胞膜からうま味成分が流れ出してしまいます。
しかし、洋包丁に比べて刃先が鋭い和包丁なら、魚の細胞を押す潰すことなく、切り分けることが可能なのです。
包丁1つで素材の味が変わるなんて意外ですよね。
でもこの違いを細胞という存在などわからなかった程の昔から行ってきた先人に対しては尊敬の念を抱いてしまいます。
和包丁の種類
また、和包丁にはさらに細分化された種類があります。
最もよく使う包丁としては出刃包丁があり、魚の三枚おろしや骨ごと肉を切るときはこの包丁を使います。
刺身に使うのは刺身(柳葉)包丁。普通の包丁に比べると刀身がかなり細長くなっており、プロ用の刺身包丁は一般家庭用のものよりさらに長くなっています。
菜切り包丁は和包丁ですが、両刃になっており、名前の通り野菜を切るための包丁となっています。
主に使用される包丁はこのようになっていますが、蛸引き包丁や餅切り包丁と呼ばれるような少し変わった包丁や、フグ引き包丁や鮭切り包丁・鰻裂き包丁などのその魚ごとに専用の包丁が有ったりもします。
日本料理のお店は包丁の種類を覚えるだけでも大変そうですね。
包丁の切り方
洋包丁は押して切る。和包丁は引いて切る。
というのが、それぞれの包丁の基本の切り方だと聞きます。
テレビなどで刺身や寿司ネタで魚を切っている映像が流れることがありますが、あれは引き切りをしている場合がほとんどです。
逆に洋食を作っている映像の場合は、押し切りや、そのまま下にストンと落として切っている場合もあります。
とはいっても食材や切り方によってもどのように切るかは変わってきますので、あくまでも基本はこの形ということで覚えておくくらいでいいかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。
和包丁はプロの職人さんだけが使うものではなく、一般家庭でも十分買えるものがあります。
和包丁を使って料理をすると、ご家庭の料理の味がさらに良くなるかもしれません。
もし興味がわいたら是非使ってみて下さいね。
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