日本料理と聞き、多くの方がすぐに思い浮かべる料理が「会席料理」ではないでしょうか。
ここでは、日本料理の代表ともいえる会席料理を詳しくご紹介したいと思います。
会席料理には、2種類の形式があることをご存知でしょうか。
1つ目は前菜や椀物、刺身や飯物など全ての料理がお膳に載って提供される形です。
2つ目は一品一品の料理がコース形式で提供される形です。
こちらの形式は、「喰い切り」とも呼ばれます。
現在では旅館や宴会の場では配膳形式が一般的であり、
料亭や割烹ではコース形式で献立を提供するお店が多いです。
料理を提供する形式に違いはありますが、献立の内容はどちらも同じものになっています。
2つの形式の内、今回はコース形式の「喰い切り」について学んでみましょう。
会席料理の献立には提供の順序に決まりがあり、その順序がこちらになります。
先付(さきづけ)
いわゆる前菜のことです。
季節の食材を使うことや、お酒の肴として珍味を用いることもあります。
椀物(わんもの)
吸い物や煮物が、ここで提供されます。
薄口の味付けで温かい物を食し、口の中をサッパリさせてお腹を動かす準備をします。
また日本料理と言えば出汁の美味さですので、この椀物でお店のレベルがわかります。
向付(むこうづけ)
お刺身のことを言います。
その時期の旬の魚を使ったお刺身はもちろんですが、
お刺身にひと手間加えた昆布締めなどがお皿を彩ります。
八寸(はっすん)
こちらは、山海の食材を使ったお酒の肴が提供されます。
次の一品まで、お酒を飲んで待つための料理です。
焼き物(やきもの)
こちらもまた、旬の魚を使った焼き物が提供されます。
お店によってはお肉料理が出される場合もあります。
炊き合わせ(たきあわせ)
旬の野菜を使った煮物が出されます。
春であれば筍、夏では茄子などでしょうか。
また野菜だけでなく、魚の煮付けが提供されることもあります。
食事(食事)
料理も終盤となり、ここでご飯物が出されます。
止め椀(味噌汁)・香の物(漬物)と一緒に提供され、
炊き込みご飯や釜飯で季節の味を楽しむことができるでしょう。
水菓子(みずがし)
食事の締めのデザートのことです。
基本的には季節の果物が出されますが、
お店によっては旬の果物のシャーベットやアイスを提供するお店もあります。
以上が、会席料理の献立内容と順序になります。
この会席料理の順番を守りつつ、献立に四季の移ろいを反映させます。
日本料理が美しいと言われるのはこのためですね。
会席料理だけでなく日本料理全てに言えることですが
四季を意識した味付けと盛り付けの見た目には、他の料理にはない素晴らしさがあります。
今、日本料理や会席料理は世界でも注目されています。
その理由の1つは、健康的でヘルシーな献立内容です。
野菜と魚を中心とした献立は、肥満大国とも呼ばれるアメリカや、欧州諸国で人気の料理となっています。
また会席料理と同じく、日本の寿司も海外で人気がある料理です。
日本料理店や寿司屋なども、海外に多く出展されるようになりましたので
日本料理の人気の高さが伺えます。
理由の2つの目は、四季を意識した見た目の美しさです。
季節の草花さえも料理の盛り付けに取り入れ、目でも楽しめるのが日本料理の魅力です。
また旬を味わうことへのこだわりも、日本料理のレベルを高めている要因ではないでしょうか?
日本の会席料理は、世界に誇れる日本の文化です。
日本の素晴らしい食と心をこれからも学んでいきましょう。