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パスタの種類は、どれくらい?歴史や製造方法を知ろう!

イタリア料理といえば、パスタを使ったものが多いですよね。パスタは、水や塩、小麦粉を原料としており、その種類は多岐に分類されます。これから本格的なイタリアンを作り、有名なシェフになることを目指しているのであれば、パスタの種類を覚え、料理ごとに使い分けられるようになる必要があります。

今回は、パスタには、どのような種類があるのか、その歴史や製造過程についてお伝えします。

パスタの種類を知る前に!歴史を振り返る

現在では、手ごろな価格で販売されているパスタですが、その起源やスパゲッティとの違いについては、あまり知られていません。ここでは、パスタの種類について知る前に、全体的な歴史を振り返っていきます。

起源

パスタは、いつ頃から食べられるようになったのでしょうか。その起源は、古代ローマ時代のプルスと呼ばれる食べ物にあるとされています。プルスとは、小麦などの穀物をお粥のように煮込んだ食べ物のことです。

16世紀の大航海時代には、鑑賞を目的とするトマトが持ち込まれ、のちに農家たちの手によって食用へと品種改良されました。その結果、ナポリ地方でトマトの栽培が盛んとなり、パスタと組み合わせることでトマトパスタが食べられるようになりました。

パスタは、昔から機械で製造されていたわけではありません。当時、パスタといえば手作りが主流でしたが、簡単に生地を製造できる圧力機が開発されたことで機械製造する技術が急速に進みました。

日本人の印象

日本にパスタが伝来したのは、幕末の横浜が最初の地とされています。外国人居留地に持ち込まれたパスタを見て、日本人は「まるでうどんのような食べ物だ!」と感じていたようです。日本人による初の国産パスタの製造は、大正時代とされており、横浜を拠点とする貿易商がマカロニの製造を依頼したことが製造のきっかけとなっています。

大正時代からパスタが製造されたといっても、現在のような高機能なパスタ製造機ではなかったため、短時間で大量に製造することはできませんでした。そのため、国内でパスタを口にできる人は限られており、まだまだ珍しい食べ物として取り扱われていました。しかし、昭和30年頃に本格的な製造機が輸入されたことで、大量生産が可能となり私たちの食卓にパスタが並ぶようになります。

スパゲッティとの違い

パスタとスパゲッティは、同一のものではありません。パスタには、イタリア語で麺類という意味があります。そのため、イタリアでは小麦粉で製造したものは、すべてパスタと呼びます。パスタの種類は、非常に多く650種類を超えるといわれています。

一方で、スパゲッティとは、小麦粉で製造したもののうち細く麺状に伸ばしたものをいいます。つまり、スパゲッティは、パスタという大きな枠組みの中にある1つの種類ということです。

ただし、小麦粉を細く伸ばしたものをすべてスパゲッティと呼ぶわけではありません。ショートパスタやロングパスタなど、材料や製法、太さ、長さによって、明確なグループ分けが存在します。

パスタの代表的な種類と茹で方

パスタの種類は、650種類以上あるといわれていますが、代表的なものとしてどのようなものが多くの人に愛されているのでしょうか。ここでは、パスタの代表的な種類と具体的な湯で方についてご説明します。

代表的な種類

料理人として押さえておきたい代表的なパスタの種類は、下記の通りです。

スパゲッティ(spaghetti)

水と小麦粉だけで製造されるスパゲッティは、イタリアで最も好まれる種類のパスタです。メーカーによって太さが異なるため、料理に使用する際は、詳細を確認して購入することが大切です。

スパゲットーニ(spaghettoni)

水と小麦だけで製造されるスパゲットーニは、スパゲッティよりも麺が太く、トマトソースが絡みやすいです。さまざまなパスタの中でも弾力性が高く食べごたえがあります。直径が2.0mmを超えると、スパゲットーニと呼ばれ、他のパスタと区別されます。

スパゲッティーニ(spaghettini)

スパゲットーニと同様に水と小麦で製造されるスパゲッティーニは、麺が細く断面は円状になっています。スパゲッティーニと呼べるものは、直径1.6mm前後の太さの麺で、どのようなパスタ料理にも使いやすいことから料理人の間でも重宝されています。

ヴェルミチェッリ(vermicelli)

ナポリのスパゲッティとも呼ばれるヴェルミチェッリは、ヒルやミミズという意味のあるヴェルメが名称の由来とされています。直径は、2.1mm~2.2mmのパスタで、スパゲッティとほとんど差がありません。それぞれの違いを見分けることは、不可能でしょう。

なお、スパゲッティは直径が2.0mm前後とされているため、ヴェルミチェッリの方が少し太いという程度です。イタリアのナポリ地方へ料理の勉強へ行くと、スパゲットーニやスパゲッティは、すべてヴェルミチェッリと呼ばれることが多いため、それぞれの太さの違いについて把握しておくことが大切です。

カペッリーニ(capellini)

イタリア語で髪の毛という意味を持つカペッリーニは、太さがとても細いパスタで主に冷製パスタで使用されます。日本の素麺は、直径1.3 mm未満といわれていますが、カペッリーニは0.8mm~1mmと非常に細く製造されます。

パスタの製造メーカーによって、若干太さの規格が異なりますが、ロングパスタの中でも最も細い製品として販売されています。

ビーゴリ(bigoli)

ヴェローナやヴェネツィアがあるヴェネト州では、ビーゴリと呼ばれるパスタが有名です。スパゲッティと同じように水と小麦粉だけで製造されているものがほとんどで、表面がザラザラしているなどの特徴があります。

ビーゴリは、ヴェネト州を代表する伝統的な手打ちパスタとして人気があります。そしてヴェネト州は海に面している州であるため、ビーゴリを使用してシーフードパスタを作ることが多いです。現在、ビーゴリはヴェネト州の郷土料理と呼ばれ親しまれています。

リングイネ(linguine)

リグーリア州で伝統的なパスタとして人気のあるリングイネは、イタリア語で小さな舌という意味を持つロングパスタの一種です。直径3mmのスパゲッティを平たくしたような形状をしており、モチモチとした食感が楽しめます。

バヴェッテ(bavette)

リングイネと同様にリグーリア州で誕生したバヴェッテは、イタリア語で赤ちゃんのよだれかけという意味を持つパスタです。形状は、リングイネとそっくりですが、バヴェッテの方が長方形で薄い形状となっています。

トレネッテ(trenette)

リングイネやバヴェッテと同じ州で誕生したトレネッテは、断面が正方形のパスタです。グーリア州では、正方形や長方形など、さまざまな形状をしたパスタが作られていますが、お客さまの好みによってパスタの種類を変えるとパスタ料理のバリエーションも増やしやすいでしょう。

基本的な茹で方

パスタのおいしさは、料理人による茹で加減に大きく左右されます。どうすれば、パスタをおいしく茹でることができるのでしょうか。基本的な茹で方は、下記の通りです。

パスタの種類や大きさ、形状によっては、茹で方が大きく変わることがあります。そして、料理によっては、少し固めのパスタが良いということもあるでしょう。何度か練習を重ねれば、自分なりの茹で方のタイミングが見つかるでしょう。

種類豊富なパスタの製造過程を知る!

私たちの食卓に並ぶパスタですが、どのような製造過程を経て完成するのでしょうか。ここでは、パスタの製造過程についてご説明します。

原料を搬入する

パスタを製造するにあたって大切なのは、原料である小麦です。小麦には、さまざまな種類がありパスタで主に使われるものは、デゥラム小麦と呼ばれるものです。デゥラム小麦は、粗めにひき砕かれデゥラムセモリナとなってタンクローリーで製造工場に運ばれます。筒のような形状をした倉庫に向けて送られ、自動的に生産ラインへ流されます。

生地を作り、形を整える

デゥラムセモリナに水が加えられ、真空ミキサーやダブルミキサーでよく練り合わされます。これらの工程によって生地の密度が高まり、独特の食感が生まれます。製造された生地をダイスと呼ばれる型に通して、スパゲティ状に形を整えていきます。マカロニもダイスの穴から押し出すことで、同じような工程で作られます。

そのため、ダイスの形を変えれば、どのような形状のパスタでも製造できます。なお、マカロニのダイスは、100種類以上あるため、商品ごとにダイスを付け替えて圧力で材料を押し出していきます。

乾燥させる

パスタ製造で1番時間がかかるのは、乾燥の工程です。乾燥工程に多くの時間を要するのは、ゆっくりと乾燥させることで、ひび割れのない透明感のあるパスタを製造するためです。パスタの硬さや色、香りは、乾燥の仕方によって大きく変わってきます。

包装・検査する

決められたサイズにカットされたパスタを重量計算し、それぞれの袋で包装していきます。賞味期限を印刷し、金属などの混入物が含まれていないか検査します。金属検知器で自動検知したあと、人の目で全体チェックをしていきます。

出荷する

完成したパスタは、工場から出荷されます。自動的にダンボールのケースに詰めて、ロボットを利用してそれぞれの商品ごとにグルーピングしていきます。パレットに積まれた商品は、一旦倉庫の外に持ち出され、トラックで保管します。その後、トラックドライバーたちによって、全国のお店まで配送されます。

さまざまな種類のパスタで料理を作ろう!

パスタの歴史や種類、製造過程を知ることで、以前よりも料理に興味を持っていただけたのではないでしょうか。パスタ料理は、麺の種類を変えるだけで、食感や味が大きく変わります。イタリア料理の中でもパスタは、郷土料理の集大成ともいえる歴史のある料理です。

そのため、パスタには地方ごとの無限の表現形態があります。イタリアンの代表格ともいえるパスタ作りをマスターすれば、数多くの飲食店の中でも集客力のある人気店舗となることは間違いありません。

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