栄養士と管理栄養士って何が違うの?
2017年7月12日
栄養士・管理栄養士という職業について、みなさんは詳しく知っていますか?
職業の名前ということは知っているけど、仕事内容などは細かく知らないという方が多いと思います。
実は栄養士・管理栄養士には、大きな違いがあるんです。
あまり知られていない、2つの職業の違いをここでご説明していきましょう。
栄養士とは?
栄養士とは、まさに名前のように「栄養に関することを扱う者」のことを指します。
言わば、栄養のスペシャリストですね。
栄養士や管理栄養士に関することを定めている法律も存在しています。
これを栄養士法といいます。
栄養士法では、栄養士のことを次のように定義しています。
「栄養士免許を取得し、栄養士の名称を用いて、栄養の指導に従事する人」
このように、栄養士免許を取得しなければ栄養士として認められません。
管理栄養士とは?
次に、管理栄養士という職業についてご説明します。
栄養士法では、管理栄養士のことを次のように定義しています。
「管理栄養士の資格を取得し、管理栄養士の名称を用いて、栄養の指導に従事する人」
栄養士の定義と全く同じですね。
なので、栄養士も管理栄養士も栄養のスペシャリストであるということは変わらないのです。
では今度は、栄養士と管理栄養士にどんな違いがあるのかを見ていきましょう。
栄養士と管理栄養士の違いとは?
先ほどは、栄養士と管理栄養士は同じ栄養のスペシャリストであるとご説明しました。
しかしこの二つには、大きな違いがあります。
試験制度の違い
栄養士と管理栄養士の最も大きな違いは、国家試験制度です。
栄養士は、大学・専門学校・短大で課程を学び卒業をすれば資格を取得することができます。
ですので、栄養士の資格には国家試験がありません。
管理栄養士は養成校に通うか、又は実務経験を積んだ上で国家試験に合格し、初めて管理栄養士の資格を取得することができます。
また栄養士は都道府県から免許をもらいますが、管理栄養士は国家試験を受けますので、免許は国からもらうことになります。
管理栄養士は免許をもらった後、国の管理栄養士名簿にも登録されます。
職務内容での違い
栄養士と管理栄養士の違いは、職務内容にもあります。
栄養士は基本的に、健康な人を対象にした栄養指導や給食管理を行います。
管理栄養士は健康な人に加えて、傷病者の栄養指導・給食管理を行うことができます。
栄養士や管理栄養士の方の主な職場となるのは、学校・総合病院・老健施設などです。
ここでも大きな違いがあり、必ず管理栄養士を置かなくてはいけない施設があります。
一例を挙げますと、「医療保険機関」「情緒障害児短期治療施設」「救護施設」「更生施設」には必ず管理栄養士を必ず置かなければなりません。
その他の施設も、条件によっては管理栄養士を置かなければならなくなるケースがあります。
栄養士や管理栄養士の活躍
栄養士や管理栄養士は、実は様々な分野で働いています。
医療や教育はもちろんですが、スポーツの現場でも栄養のスペシャリストとしての力を活かしています。
栄養士がスポーツ選手のフィジカルを管理することで、健康となるだけでなくケガや疲労を抑制することもできます。
また行政や地域活動でも栄養士は活躍しており、住民の健康向上を図るために、栄養食を学ぶ市民講座なども開催しています。
栄養士と管理栄養士に大きな違いはありますが、どちらも同じく栄養のスペシャリストと言われる方々です。
美味しく健康な食事を提供したいという想いを持つ方は、栄養士と管理栄養士についてさらに深く学んでみてはいかがでしょうか?