ふぐ処理師免許を持った料理人を目指す

ふぐ処理師免許を持った料理人を目指す

ふぐは昔から非常に強い毒性を持つ魚として知られており、ふぐ毒による死亡事故が起こる可能性があるため、ふぐ処理師免許がなければ、調理することを許されていません。

しかしそれでもやはり「旬の味覚」であり、人気の高い食材です。料理人になるにあたって、お客さまにふぐ料理を出す場合は、ふぐ処理師免許を取得し、調理に必要な知識や技術を身に付ける必要があります。

今回は、ふぐの調理に必要なふぐ処理師免許とはどのようなものなのか、免許の取り方や試験の対策方法についてお伝えします。

ふぐ処理師免許とは?他の資格との違い

ふぐを調理できる料理人は、「ふぐ処理師免許」を取得しています。ここでは、ふぐ処理師免許の取得者とはどのような人物なのか、具体的な仕事内容についてご説明します。

ふぐ処理師

都道府県知事が定めるふぐ条例に基づいて、ふぐ処理師試験に合格し免許を取得した人のことを「ふぐ処理師」といいます。都道府県によっては、ふぐ処理師ではなく、ふぐ取扱者やふぐ包丁師、ふぐ調理士、ふぐ取扱登録者、ふぐ調理師、ふぐ調理者と呼ばれることがあります。

ふぐ処理師の免許は、それぞれの都道府県知事が個別に定めているため、特別な理由がない限りは、その都道府県でしか調理できません。つまり、京都府でふぐ処理師免許を取得した場合は、他県ではふぐを調理できないということです。

万が一、京都府のふぐ処理師が他県でふぐの調理する予定がある場合は、一部の例外を除き(後述します)、事前に該当する都道府県のふぐ処理師試験を受験し、新たに免許を取得することになります。ふぐ処理師の間では、1度取得したふぐ処理師免許を、都道府県が変わるたびに取得するのは、あまりにも面倒なため「全国で統一されたふぐ処理師免許制度を作ってほしい!」という声があるものの、実現には至っていません。

ふぐ処理師免許

ふぐ処理師免許は、都道府県ごとに定められているため、国家資格ではありません。そのため、ふぐ処理師免許は、どこの自治体で取得したかによって、講習内容や試験内容、難易度が異なります。都道府県によっては、講習を受けるだけでふぐの調理に必要な許可証が交付されることがあります。

なお、ふぐ処理師免許の取得の際、試験に合格した者は免許が与えられますが、講習だけで取得した者は、受講済証や登録済証が交付されるケースがほとんどです。

ではここで、試験に関する例外をお伝えします。それは「どこかの都道府県でふぐ処理師免許を取得していれば、再度試験を受けなくても、簡単な申請だけで他県の免許の交付を受けられる」というケースがあることです。たとえば京都府では、下記の都道府県の許可証を取得していれば、京都府知事に免許申請することで、試験を受けなくてもふぐの料理が認められます。

岡山県・鳥取県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・熊本県・宮崎県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・富山県・石川県・静岡県・愛知県・滋賀県・奈良県・ 鹿児島県

都道府県や市区町村など、自治体の公式ホームページを閲覧すれば、該当する都道府県での情報が掲載されています。京都府以外でふぐを調理する場合は、免許の連携状態を調べておくことが大切です。

仕事内容

ふぐ処理師免許を取得すると、「身欠き」と呼ばれる作業をします。身欠きとは、猛毒であるテトロドトキシンが含まれている内臓や、その他の背ビレや胸ビレを処理する作業のことをいいます。身欠きの仕事は、ふぐ処理師免許を取得した者しか従事できません。どのような流れで身欠きをするのか、その流れは下記の通りです。

上記のように、ふぐ処理師免許を取得していれば、ふぐの解毒作業ができます。都道府県によっては、ふぐ処理師免許ではなく、ふぐ加工製品取り扱い届け出済票で調理できることがあります。

この2つの違いは「テトロドトキシンなどの猛毒の処理を、適切に実施する資格があるのかどうか」の違いです。そのため、有資格者の手によって有毒部位が除去されているふぐであれば、ふぐ処理師免許がなくても、ふぐ加工製品取り扱い届け出済票で調理できます。

テトロドトキシンに関する除毒作業が発生するかどうかで、免許が必要となるのか、もしくは届け出済票だけで良いのかが変わってきますので、居住地域の情報を詳しく調べることが大切です。

ふぐ処理師免許の取り方とは?

これから料理人になるにあたって、ふぐ処理師免許を取得したいと考えているものの、具体的な取得方法がわからず困っている方は多いと思います。それぞれの都道府県によって試験の内容が異なるため、ネット上でもなかなか詳しい情報が見つかりません。

ここでは、ふぐ処理師免許を取得したい方に向けて、京都府での流れや問題の出題数、合格率などをご説明します。

願書出願の流れ

ふぐ処理師免許を取得するには、願書を出願し、証書を受け取る必要があります。

ふぐ処理師試験に合格すれば、その日からふぐを調理できるようになると思っている方もいるでしょう。実は、ふぐ処理師試験に合格しただけでは、ふぐは調理できません。京都府では、試験合格後に京都府知事へ免許交付申請をするように義務づけられています。

そして、ふぐの調理をお店でする場合は、保健所の許可も必要となってくるため、ふぐ処理師免許の合格通知を受け取った時点で、速やかに手続きを進めることが大切です。

問題の出題数

京都府のふぐ処理師試験は、下記の3つの試験科目に分類されます。

学科試験は、公衆衛生関係法規が10問、食品衛生学が10問、京都府ふぐの処理及び販売の規制に関する条例及び同施行規則が10問、ふぐの性状が10問出題されます。合計40問出題されますが、マークシート形式の四肢択一です。

鑑別試験では、種類鑑別(ふぐの写真が10問)、臓器鑑別(ふぐの臓器の写真が5問)が出題されます。

最後の実技試験では、解毒作業をしていないふぐを3枚におろして、可食部や不可食部に分類し、それぞれの臓器に名札を付けていきます。

受験資格

京都府では、下記の条件を満たすものであれば、ふぐ処理師試験の受験が認められます。

ふぐを取り扱う料理店で1年以上働かなくても、調理師法が規定している調理師養成施設で必要なカリキュラムを履修すれば、受験資格を満たせます。つまり、ふぐ処理師試験を受験するからといって、必ずしも料理店への就職が必要というわけではないということです。

どちらを選ぶかによって、取得に至るまでの過程が大きく異なるため、慎重に選ぶことをおすすめします。

合格率

ふぐ処理師試験は、都道府県によって合格率が異なります。おおよそですが、60%前後が合格することがわかっています。しっかりと勉強さえ重ねていれば、十分に合格することは可能です。

合格率を上げるためには、テキストで対策をする必要があります。本来は、試験に向けてテキストなどで勉強出来れば良いのですが、京都府ではふぐ処理師試験に向けた専門書などは配布していません。そのため、インターネットや書店で販売されているふぐ処理師試験の市販のテキストを購入して対策をしていきます。

しかし、京都府でも「ふぐ処理師学科試験問題」が解答付きで公開されているため、反復しながら出題傾向を探っていきましょう。

ふぐ処理師免許の試験対策方法

ふぐ処理師免許を取得するには、なんとしてでも実技試験を合格するしかありません。実技試験の対策方法は、主に下記の2通りの方法です。

実技試験の対策方法として、これらの2つの方法にはどのような違いがあるのかをご説明します。

講習を受ける

都道府県の調理師専門学校の中には、ふぐの取扱いについて講習を開いていることがあります。もちろん、専門的な知識をもった技術者による講習であるため、費用を支払って講習に参加することになります。

処理に手間のかかる場所や絶対に注意して取り扱う場所などを、納得がいくまで何度でも指導してもらえるため、ふぐ処理師免許の取得後も安心してふぐ料理を提供できるようになります。講習で使用するふぐの値段によって、参加費用が異なることがあるため、自宅近くの調理師専門学校へ詳細を問い合わせてみると良いでしょう。

この対策方法なら、ふぐ処理師免許の有資格者に指導していただける環境になくても、短期間で安全に免許を取得できます。

有資格者に指導してもらう

現在、ふぐ料理を提供する日本料理店で働いているのであれば、有資格者に指導してもらうことで、試験対策ができます。すでに、ふぐ処理師免許を取得している先輩や板長に「ふぐの免許を取得したいので、処理の仕方を教えていただけないですか?」と質問すれば、直接指導してもらえることがあります。

調理師専門学校ほど、詳しく指導してもらうことはできないかもしれませんが、実技試験に向けて自主練習を重ねていけば、十分に合格ラインに到達するのではないでしょうか。なお、ふぐ処理の練習をする場合は、有毒部分の取扱いに注意しなければいけません。

ふぐ毒は、微量でも人の致死量に達するため、生ごみとして処分することは禁止されています。そのため、ふぐの毒が人の手に触れないように保存容器に入れて鍵をかけて保管し、ふぐの毒の取扱いが認められた魚屋さんに処分を依頼します。

もし、勤務先と付き合いのある魚屋さんがいる場合は、格安で冷凍ふぐが購入できたり、自主練習によって使ったふぐの有毒部分の処分対応をお願いできることがありますので、相談してみると良いでしょう。

魚屋さんから自主練習用のふぐを購入した方が安くつきますし、職場の先輩から指導してもらえるのであれば、免許の取得に関する全体的な費用を安く抑えられます。そのため、自分自身の状況に合わせて実技試験対策をしていくことが大切です。

ふぐ処理師免許を取得して、業務範囲を広げる!

ふぐは、人を殺してしまうほどの猛毒を持つ危険な魚です。お客さまに「ふぐの調理方法は、自分で勉強しているから、良いものが手に入ったらください。」といわれても安易にふぐを提供してはいけません。

ふぐの毒は、青酸カリの1,000倍といわれていますが今のところ解毒するものは、開発されていません。酸や加熱に強く、塩もみをしても毒の作用は、そのまま残りますし、0.5mg~1.0mg摂取しただけで人は死に至ります。

そのため、ふぐのような危険なものを取扱えるようになれば、料理人として危険手当がつくことがあります。ふぐについて専門的な知識を持った料理人として、ふぐ鍋やてっちりなどをふるまえるようになれば、料理の幅も広がり、担当できる仕事も増えてくるでしょう。つまり、早めにふぐ処理師免許を取得していれば、料理人として一歩抜きんでることができる、というわけです。

京都調理師専門学校では、京都府のふぐ処理師免許の合格に向けて講師が専門的な指導を実施しています。京都調理師専門学校へ入学し、講師の先生方からの指導をしっかりと受ければ、自分で和食のお店を開き、ふぐ料理を提供するという夢を叶えられます。

ふぐ処理師免許以外にも、さまざまな難関資格や免許の取得に向けた強力なサポート体制が整っているため、高い確率で合格できます。試験突破までの道のりは長く険しいものでも、同じ志をもった生徒や先生たちと力を合わせれば、念願だった高度な資格をもった料理人になれるでしょう。京都調理師専門学校では、あなたの資格取得を全力でサポートします。

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