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カフェの開業に必要なことは?

自分が理想とするオシャレなカフェを開業し軌道に乗せるには、オープン前に念入りな開業準備が必要です。実際に、カフェを開業するまでには何が必要なのか、またその準備に入る前にすることは無いのか、今回はカフェ開業に向けて知っておくべきことをお伝えします。

カフェを開業するのに必要な準備

あなたにとって、カフェとはどのような場所でしょうか。現代は、多くの人が癒しを求めて、カフェに入ります。カフェのオシャレなスタイルに憧れ、いつか自分で開業したいと考える方もいるでしょう。では、自分自身でカフェを開業するまでに考えておくべきこととは何でしょうか。順を追ってご説明します。

オープンまでに、たくさんのメニューは必要?

お店を開業する場合、どれくらいの数のメニューが必要になるのでしょうか。カフェの開業を考えている方の中には、「メニューは多ければ多いほど良い!」と思っている方もいるかもしれません。たしかに、ある程度幅広いメニューを用意した方が客層も幅広くなりますから、儲けられる!と考えますよね。

でも、本当にそうなのでしょうか。

メニューが増えるほど、実は提供するまでの手間が増えます。厨房に立つのが一人なら、数多くのメニューに対応していくことになりますが、場合によってはそれを作る調理器具も増えますし、多すぎるメニューは間違いの元にもなりかねません。

もちろん、メニューが少なすぎても、客層を絞り込んでしまうことになりますので、お客様の気持ちも考えながら、今の自分たちが確実に対応できると確信できるメニュー数と内容で始めましょう。

ある程度軌道にのってきたら、いつもの定番メニューに、季節の食材をつかった「期間限定メニュー」を出していくと、よりリピーターも見込めるようになるはずです。

また、メニューと同時に考えるのが、使用する食材ですよね。これも、こだわりを持つことは必要ですが、こだわりすぎて価格が折り合わなくなったり、入手しにくくなるようなことも考えられます。どのような食材なら入手しやすいか、メニューの価格と折り合いがつくかなど、きちんと考える必要があります。

例えば、複数のメニューに使える「卵」という食材。焼く、ゆでる、煮るなど、いくつかのパターンを採用すれば良いわけです。具体的には、「焼く」ならば目玉焼きとスクランブルエッグ、「ゆでる」ならゆで卵にする、マヨネーズなどど和える、さらに、そのまま出す、パンに挟む、肉に載せるなど、使い方は色々あります。しかも、卵は価格的にも入手のしやすさからも、取り入れやすい食材です。こうしたものをメインにしないまでも、メインの食材に添える形で検討することを、予め考えておくと良いかもしれません。

あるいは、「コーヒーにこだわったカフェ」ならばカフェの開業当初から、ある程度の種類のコーヒーを提供できるようにすると良いかもしれません。その分、料理のメニューは少なくし、あくまでも「コーヒーを楽しむための軽食」をメインとするなど、一番提供したいメニューを最初に考え、それに合うものを少しずつ増やしていくという方法もあります。

スタッフは雇った方が良い?

大きなカフェにはたくさんのスタッフが働いていますが、はじめてのカフェ運営ならまずは1人でお店を軌道に乗せたいという方が多いのではないでしょうか。

例えば、大手のカフェチェーンの場合、新しい店舗が開店するときから複数のスタッフが働いています。前述のような「メニュー」もすでにたくさんありますし、席数もかなりの数が用意されていることが多いでしょう。

大手のカフェチェーンの場合、食事も飲み物も、ゼロから各店舗の厨房で作るわけではなく、ある程度できているもの、下ごしらえまでは終っているものが各店舗に届きます。各店舗では、それをお客様へ提供できるよう、最後の調理と盛り付けを行っています。

そして、お客様の回転が早く、一度に複数のお客様への提供が必要となるため、個人のカフェよりも多くの人数で対応していることになります。

では、個人経営のカフェではどうでしょうか。

スタッフを雇うと発生するのが毎月の人件費です。カフェ開業資金についてはこの後でお伝えしますが、人件費は「固定費」と呼ばれ、スタッフがいれば毎月必ず発生する支出です。開業してからある程度軌道に乗り、売上が拡大できる見込みができたら、スタッフを雇うことを考えても良いのかもしれません。

開業資金、どうやって用意する?

「カフェ」と一言でいっても、そのスタイルや開業する場所によって、必要な開業資金は変わってきます。例えば、自宅を改装する場合、独立店舗(店舗のみを出す)とする場合、移動式カフェにする場合、すでにある「カフェ」の店舗を買い取って改装する場合など、さまざまなスタイルが考えられます。

それでは、カフェの開業資金は、全部自分で用意しないといけないのでしょうか。

「開業資金」には、自己資金と借入金(銀行などから借りるお金)があります。すべてを自己資金で用意できれば良いのですが、カフェの専門学校を出て数年くらいであれば、難しい人の方が多いでしょう。一般的には、ある程度の自己資金と、借入金の両方を使うことが多いようです。この場合、開業資金のうち4割程度を自己資金、借入金は6割以下に抑えると良いでしょう。借入金が6割を大きく超えるような場合、その後の「返済」が非常に辛くなるといわれています。

カフェの開業に必要な資格とは?

お店を開業し、不特定多数のお客様から「提供したものへの対価」を頂く以上、防災や衛生面についてしっかりと配慮し、美味しいドリンクと料理とサービスを提供するなど、安全を安心を守る必要があります。そのためには、必要な資格を取得し、管理できる能力を有していることを行政に届け出なければならないものがあります。

ここでは、カフェを開業するにあたり必要な資格についてお伝えします。

食品衛生責任者

カフェを開業するなら、食品衛生責任者の有資格者が、一人以上必要です。食品衛生責任者は、食品の衛生を管理する大切な役割を担っており、店長、または従業員がその資格を有している必要があります。

万が一、カフェ内の食品衛生面に問題を発見した場合、適切な対処を行い、トラブルの発生を未然に防ぐことが求められます。カフェを開業するには、管轄の保健所に対して食品衛生責任者の届出が必要となるため、早めに資格を取得して対処できるようになりましょう。

調理師免許

カフェを開業し、何らかの料理やドリンクを提供するなら、調理師免許は取得しておいた方が良い資格です。調理師になるための専門学校などで学ぶと、調理に関する基礎から応用まで、知識や技能が習得できます。こうした知識や技能の上で考えられたメニューは、自然と味も見た目も良いものになります。

もしも独学で調理師の資格取得を目指すなら、2年以上の実務経験が必要です。将来、自分のカフェを開業したいと考えるなら、実務経験は既存のカフェで積むと良いでしょう。

防火管理者

法律上、カフェの建築物の収容人数が30人を超える場合、最低でも1人の防火管理者が店舗を管理すること、となっています。防火管理者とは、火災を予防する大切な役割を担っていることを示す資格です。尚、防火管理者の資格は、延べ床面積のサイズによって変わってきます。例えば

それぞれの資格を取得する必要があります。

日商簿記3級

カフェを開業すると、毎日の仕入れや支払い、売り上げ、利益など、お金に関することを記録しなければいけません。このようなお金の記録のことを、簿記といいます。簿記の資格は、3級、2級などレベルによっていくつかの段階に分かれていますが、まずは3級を取得しておけば、経理上で困ることは少ないようです。

カフェ開業に向けて実際に動き出すと、その日から経理や簿記に関した知識が必要となります。少しでも「お店のお金」を動かすために、必要な資格といえます。

カフェの開業、適性はあるのか

ここまで、カフェ開業に向けた準備について、いろいろお伝えしました。でも、これだけが準備できていれば大丈夫でしょうか。

答えはNoです。開業に向けて一番大切な、適性についても知っておきましょう。

どのような適性が必要なのか

カフェを開業し、お店を続けていく上で、一番大事なことは何だと思いますか?

美味しいコーヒーをいれる技、美味しい料理を作る技術、ほかにもお客様とのコミュニケーションが上手くできるか、店全体のお金の動きを正しく把握できるかなど、たくさんの「必要な事」があります。その中でも忘れてはならない事、それは体力です。

カフェでの接客は、基本的に立ちっぱなしです。厨房に入れば、座って料理をすることはできません。開店時間中は、休む間もなく動き回ることもあります。体があまり丈夫ではなく、学校や仕事を休みがちな人は、恐らくカフェを開業することは難しいでしょう。自分の体調により度々お休みの日ができるようなカフェは、少なくとも繁盛店にはなりません。あえてそれをコンセプトとし、「休日だけオープンするカフェ」というのも、面白いかもしれませんが、少なくとも「休日は毎回オープンしている」からこそ、なのです。

そしてもう一つ大切なのが、「人と接することが好き」という性格です。カフェには、不特定多数のお客様が来ます。その人との出会いはほんの数十分程度ですが、その短い時間の中で、相手に失礼の無いよう、相手への感謝を込めた接し方をすることが必要です。

また、カフェを経営する上では、食材の仕入れ先、近隣の店舗や住民の人とも、コミュニケーションが必要です。相手から「あの人の対応は気持ちが良い」という第一印象を持ってもらうことが、成功する開業の第一歩かもしれません。

自分の店を続けていくなら、企画力を磨こう

「企画力」とは簡単にいえば、頭の中のイメージを具現化する力です。カフェ開業に関することで考えると、例えば

など、たくさんの「頭の中のイメージ」を、現実のものにしていく必要があります。

また、突飛な企画ではなくても、カフェを運営する上での課題を見つけ出し、より良いものに改善していくことも必要です。頭の中にある「課題に対する解決策」を、現実のものとして実行してくことも、企画力があればこそです。

いかがでしょうか。

京都調理師専門学校の調理師科カフェード専攻では、カフェの開業や運営に必要な知識や技能、たくさんのことを考え具現化していく力も養うことができます。カフェに対する憧れや情熱を形にしたい方は、私たち京都調理師専門学校のホームページで、ぜひ詳細をご覧くださいね。

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