和食の基本的なマナーとは?
2018年12月25日
日本人ならば、和食を食べる際のマナーには気を配りたいですよね。しかし、意外にも「お箸の使い方が苦手」「お椀についている蓋って、どうやってあけたらいいんだろう?」と、考えてしまうことはないでしょうか。
今回は、和食の基本作法や手で持ってはいけないお皿、お箸や蓋のマナーについてお伝えします。
和食のマナー!基本作法とは?
和食を食べる際、たまにお椀やお茶碗を手に持つことなく食べる方を見かけることがあります。実はこれ、日本料理や日本の食事ではマナー違反とされています。そのため、片手でお椀を持ったまま、あるいは片手でお茶碗を持ったままの状態で、利き手にてお箸を使うという動作が正しくできなければいけません。
また、自分の膳の上を手で覆ってはいけないというマナーがあることをご存知でしたか?自分の右側にある料理は、右手でとり、左手にある料理は、左手でとる、というマナーがあるのだそうです。もし、右手のもの左手でとってしまうと、「袖越し」という無作法をしていることになってしまいます。
他にも、食べ方のマナーとして、下記のようなものがあります。
- ◆特定のものだけを食べ続けない。
- ◆ご飯と汁物は一口ずつ交互に食べる。
- ◆盛り合わせ料理が出たときは、左から順番に食べる。
このような和食の基本的なマナーを知っておくだけで、ルールを守って美しく食べられます。
和食のマナーで、手で持ってはいけないお皿
和食には、手で持ち上げるお皿と持ってはいけないお皿があります。基本的に、お皿のサイズが手のひらよりも小さければ「持ち上げてもよい皿」です。一方で、手のひらよりも大きなお皿は、「持ち上げてはいけない皿」です。
ここで、手で持ち上げるお皿と持ってはいけないお皿の具体例をご紹介します。
持ち上げても良いお皿
汁椀、茶碗、一人用のお重、醤油皿、どんぶり(ご飯・汁ものの入ったお皿は必ず持ち上げる)、小皿、小鉢など
持ち上げてはいけないお皿
大きな椀や鉢、てんぷらの皿、魚や焼き物、数人盛りの大きな器、大きくて熱いうどんの器
和食のマナーで驚いたのが、醤油皿を持ち上げるということです。確かに、正しくマナーに沿って口に運べば、醤油が垂れて服を汚してしまうことがありません。今度から和食で醤油皿が出てきたときは、注意しなければいけないなと感じました。
和食で守りたいお箸・蓋のマナー
昔から「お箸の使い方を見れば、育ちがわかる」といわれるほど、お箸には、多くのマナーがあります。
そして和食には、お椀に蓋がついた料理が登場しますが、これにもマナーがあります。
お箸の使い方
まずは、お箸の使い方から確認していきましょう。下記の手順でお箸を持つとマナーを守ることができます(右利きの方の場合です)。
- ステップ1:お箸を右側の上から指先でつまんで、持ち上げます。
- ステップ2:お箸を持ち上げたら、左手をお箸の下へ添えていきます。
- ステップ3:右手を持ち替えてお箸を持ちます。
このようにお箸を持つと、非常に所作がキレイに見えます。
お椀の蓋のマナー
次に、お椀の蓋のマナーについてご紹介します。
- ステップ1:左手でお碗本体を押さえます。
- ステップ2:お碗本体を押さえたまま、右手で蓋をあけます。
- ステップ3:お碗の蓋をひらがなの「の」字を書きながら、回してあけます。
- ステップ4:蓋を右手に置きます。
お碗の蓋をそのままあけてしまうと、しずくが垂れてしまいます。そのため、「の」字を書きながら、回してあけることで、美しい所作で和食を楽しむことができます。
このような所作やマナーは、どこで学べば良いのでしょうか。もちろん、親や祖父母から教わる、という方法もあるでしょう。しかし、例えば「和食」について学べる専門学校などでは、調理だけではなく、こうした「食べるときのマナー」も一緒に学ぶことができます。
私が通う京都調理師専門学校の「和食」のコースならば、卒業するころにはきっと、とても美しい所作とマナーで和食を堪能できる、そんな大人になっていると思います。「和食」の世界にご興味のある方は、ぜひ一緒に学んでみませんか?