京野菜の特徴や種類とは?
2019年3月18日
京都に集まる料理人たちは、京野菜を使った数々の料理を生み出してきました。水資源の豊かな京都では、野菜中心の生活が形成され、その地域特有の伝統的な野菜が徐々に誕生しています。
あなたは、お客さまから「京野菜とは、どのような野菜ですか?」と質問されたとき、料理人としてどのように答えますか。京野菜には、さまざまな種類があり、簡単には答えられないと思います。今回は、京野菜とは、どのようなものなのか、具体的な特徴や種類についてお伝えします。
京野菜の特徴とは?
京野菜とは、京都で作られた明治時代以前の野菜のことです。明治時代以前までの歴史を遡れば、西洋野菜と掛け合わされるなどの時代の流れもありましたが、それらの交雑を避けられ残ったものが京都を代表する京野菜だといわれています。
農家が品種改良を重ね、丹精込めて作った京野菜は、通常の野菜よりも栄養価が高く、高値で売られています。そして、一口食べれば、その味の濃さを実感できます。野菜特有の香りが強く、アクがきついものの、色や形状が個性的であるため、料理人を惹きつける魅力があります。
京野菜には、大量生産された野菜のような使い勝手はないですが、味や色、形状ともに、魅力的であるという点において高く評価されています。
京野菜の種類
京野菜、つまり京都を代表する伝統的な野菜は40品目ほどあるといわれていますが、その中でも「京のブランド野菜」とされるものは20品目程度に限れられます。料理人がよく利用する京野菜は、下記の通りです。
- ◆壬生菜(みぶな)
- ◆京山科(きょうやましな)なす
- ◆九条ねぎ
- ◆伏見とうがらし
- ◆みず菜(京みず菜)
- ◆賀茂(かも)なす
- ◆聖護院かぶ
- ◆鹿ヶ谷(ししがたに)かぼちゃ
- ◆聖護院だいこん
- ◆万願寺とうがらし
- ◆堀川ごぼう
- ◆京たけのこ
- ◆金時にんじん
- ◆丹波しめじ
蕎麦やうどんの薬味として使われる九条ねぎを使ったことはありますか?甘さと柔らかさを兼ね備えており、日本各地で食べられています。他にも、京都の漬け物屋さんには、しば漬けと呼ばれるものが売っています。しば漬けでよく利用されるのが、京野菜である賀茂なすです。お漬け物にしても焼いてもおいしい賀茂なすは、京都でも人気のある伝統的な野菜です。
京野菜を使った料理人を目指す!
京野菜の定義というのは、料理人の間でもあまり知られていません。品種によっては、絶滅した京野菜もあります。京都が築き上げた料理の味は、日本の和食の味といわれていますが、この根幹には、京野菜があったことは間違いありません。
京都という資源豊かな環境と日本古来の品種を守り続けたいという農家の強い想いは、料理人へと確実に継承されています。京野菜について知れば知るほど、他県にはない豊かな土地柄が優れた生産者を育成していることがわかります。
京都では、薄味が料理の基本とされています。なぜなら、京野菜の素材を最大限に生かすためです。薄味で料理をすることこそが京野菜の魅力を最大限に引き出す調理法であり、料理人としての最高の工夫であるということです。
私は現在、京都調理師専門学校で京野菜を生かした料理について学んでいますが、京都の歴史について知ることで、伝統野菜の生かし方が少し分かったように感じます。ただ食材を見ているだけでは、生産者の思いやこれまでの料理人の考えには、気づくことはできなかったと思います。
京野菜の歴史について勉強したため、これまで以上に料理人として伝統を継承したいという想いを強めることができました。いつか京野菜を使った和食の料理店を持ちたいという夢があるので、先生方から学べることはすべて学んでおきたいと思います。もし、京野菜を使った調理技術や専門的な知識を学びたいなら、京都調理師専門学校で一緒に勉強しましょう。