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【2022最新・徹底解説】調理師免許の取り方・受験資格・勉強方法・合格方法までを徹底解説

毎年、多くの方が調理師試験を受験して合格しています。しかし、調理師試験はだれでも受験できるわけではありません。受験するために、一定の基準を満たさなければいけないという条件があるためです。

今回は、調理師試験の受験資格や難易度、効率的な勉強法についてお伝えします。

調理師とは

調理師とは、食材の栄養や安全性、正しい調理法など、さまざまな知識と技術を持つ調理のプロです。いわば、調理経験と知識の両方を持つことの証明のため、社会的信用性が高まります。調理師を名乗れるのは、調理師免許を持つ人だけ。例えば、料理人は料理をする人物のことであるため、自由に名乗れます。しかし、調理師免許を持たない料理人は、調理師を名乗ることができません。

調理師免許を取るメリット

調理師免許

調理師免許を取得しなくても、料理人にはなれます。それでは、調理師免許を取得するメリットはあるのでしょうか。

就職で有利になる

食事を提供する施設においては、「調理師免許が必須」「調理師免許があればなお良し」「調理師免許が不要」といったパターンがあります。調理師免許を持っていると、持っていない人と比べて就職に有利なのは言うまでもないでしょう。

特に、病院では調理師免許が必須な場合が多いので、病院への調理スタッフとしての就職を目指すのであれば、なおのこと調理師免許を取得しておいた方がよいのです。

給与が上がる

調理師免許を取得している者を優遇する施設に勤めた場合、無資格者と比べて高い給与をもらえます。例えば、月1万円の手当がついたり、賞与が少し多めに支給されたりといったパターンがあります。1年や10年など、勤続年数が長くなればなるほどにそのメリットが大きくなるので、調理スタッフとして長く勤めたいのであれば調理師免許は取得した方がよいでしょう。

信頼性が増す

調理師が在籍している施設は、信頼性が増します。調理師免許の存在を知っている顧客にとっては、「あの店は調理師がいるから安心できる」との認識となり、施設側が大きなメリットを得ることができます。

また、自分の店を持つ場合においても、代表者が調理師かどうかは信頼性に関わる部分ですので、ぜひ取っておきたいところです。

また、調理師免許を取得していない場合、就業開始後に免許の取得を促されるケースや、転職時に免許を持たないことを理由に、経験があるのに新卒採用者に近い給与を提示されるケースもあるため、調理師免許を持っておくに越したことはないでしょう。

調理師は国家資格、調理師免許を持つ人だけ

調理師免許を取るデメリット

調理師免許を取るデメリットはありません。強いて言うなら、試験に合格しなければ調理師になれないので、試験勉強に時間と手間がかかることがデメリットと言えるでしょう。調理師免許を取るデメリットよりもメリットの方が大きいので、ぜひこの機会に取得を目指してみてください。

調理師試験の受験資格とは?

調理師試験は、一定の年齢基準を満たしていれば受験できる、という試験ではありません。ここでは、調理師試験の受験資格について確認していきます。

受験者に求められる資格

調理師免許を取得する道は、大きく2つにわかれています。一般的に、下記の方法で調理師免許を取得できます。

・各都道府県が指定している調理師学校(養成施設)を卒業すること。
・飲食店などで2年以上の調理の実務経験をもとに、調理師試験に合格すること。

時間の余裕のある方や料理について専門的に学びたい方は、各都道府県の指定している調理師学校(養成施設)に入学し、必要単位を取得して卒業しましょう。卒業すれば、調理師試験を受験しなくても、調理師免許を取得できます。

一方で、調理師学校に通う時間や資金的な余裕のない方は、飲食店などで2年以上の調理の実務経験を積んだあとに、調理師試験を受験し、合格して調理師免許を取得します。つまり調理師学校に通わない方は、2年以上の実務経験がなければ受験資格を満たすことができません。

継続した実務経験(2年以上)がなくてもOK?

調理師試験を受験するにあたり、2年以上の継続した実務経験を積むことが難しい場合は、各都道府県が指定している調理師学校に通えば調理師免許を取得できます。

各都道府県の指定している調理師学校は、現在全国に280校程度存在していますが、どの養成学校に入学するかで、学べる内容が異なります。ただし、調理師として必要な知識や技術は、どの調理師学校でも学べるようになっています。学習期間は、学校のカリキュラムによって異なりますが、1年~2年程度で卒業できます。

調理師学校に通うことなく、実務経験を積み調理師試験を受験する場合は、原則週4日以上、1日6時間以上の勤務経験が必要です。万が一、1年の実務経験後、個人的な都合で休職してしまった場合でも、複数の店舗での経験を通算して計算できるため、継続している必要はありません。

複数の店舗での実務経験を通算する場合、それぞれの店舗のオーナーに、確かに働いていたことを示す「調理業務従事証明書」を提示してもらわなければいけません。

2年以上の実務経験の対象施設

調理師学校に通うことなく、調理師試験を受験するのなら、対象施設で2年以上実務経験が必要です。この飲食店の対象施設は、調理師法施行規則第4条に明記されています。下記の基準を満たす場合に、実務経験として認められることになります。

・飲食店における営業(旅館や簡易宿泊所を含む)
・魚介類販売業(販売のみは、実務経験と認められない)
・そうざい製造業(佃煮を含む煮物や炒め物・焼物・揚げ物・蒸し物・酢の物または和え物を製造する営業)
・学校や病院、寮等の給食施設(継続して1回20食以上、または1日50食以上調理している施設で働くこと)

もし、調理師試験の受験を検討しており、アルバイトなどでの勤務先が上記の調理師法施行規則第4条の内容に該当しない場合は、働き先を変えることも一つの方法です。基準を満たしていなければ、店舗のオーナーから調理業務に従事した証明を受け取ることができないためです。

調理師免許を取得するには?

調理師免許をとるのは難しい?

調理師試験は、どれくらい合格するのが難しいのでしょうか?独学で勉強しても、合格できないほどの難易度なのでしょうか?ここでは、調理師試験の回答方法や合格基準、かけもち受験はできるのかについてお伝えします。

試験時の回答方法

調理師試験では、どのような方法で回答していくのか、ご存知ですか?もし、実技や実習などの試験があるのなら、しっかりと対策をしておく必要がありますが、実は調理師試験は筆記試験のみです。

ペーパーテストのみで、すべて4択式のマークシート形式なので、長文による記述回答などを求められることはありません。

4択式ですから、自分で考えて記述するのとは違い、これまでの試験勉強による記憶をたよりに正解を選んでいけばよいでしょう。

もちろん、そのためには「どれだけ試験内容に該当する事柄を暗記しているか」が合否を左右するため、事前対策を念入りにしておく必要があります。

合格基準は、何%?

調理師試験は、4択式のマークシート形式であるため、比較的回答しやすいことがわかりました。調理師試験に合格するためには、60%以上正解することが、目安とされています。

しかし、60%以上というのは公式発表されたものではありません。調理師国家試験は、「何人まで合格」という、人数を絞り込むような試験ではなく、あくまでも「調理師として必要な知識があることを確認する」ための試験です。つまり、合格定員というものが存在しないため、一定の点数に達することができれば、全員合格できます。

かけもち受験はできる?

調理師試験は、6月~11月にかけて全国で開催されています。全国で開催される試験をかけもち受験することはできないのでしょうか?

実は、調理師試験は、かけもち受験が可能です。例えば、関西で調理師試験を受験後、長野県で再度、試験を受験することもできます。以下に、調理師試験の詳細をまとめておきます。

試験時期

例年1回、各都道府県等で開催され、試験は、どこでも受験できます。神奈川県では、年2回開催されています。都道府県によって試験回数が異なるため事前に確認しておきましょう。また、関西の調理師試験は関西広域連合が主催しており、例年1回、商工会議所や公民館、大学キャンパスなどで行われています。

受験資格

原則として、中学校卒業以上であること。そして、2年以上調理の実務経験を証明できること。

試験科目

1.調理理論
2.食品衛生学
3.公衆衛生学
4.栄養学
5.食品学
6.食文化概論

※当日の試験では、6科目から出題されます。2016年度試験より、「衛生法規」の内容は他科目に分離されています。

試験形式

すべて、4肢択一のマークシート方式で回答する筆記試験です。実技や実習などの試験科目は、ありません。

受験料

受験料は、各都道府県よって異なりますが、6000円くらいです。詳しくは、各都道府県に問い合わせるとよいでしょう。関西に関しては、関西広域連合に問い合わせてみてください。

問い合わせ先

なにか質問がある場合は、受験を予定している各都道府県に問い合わせてください。また、関西の場合は関西広域連合に問い合わせてください。窓口に質問すれば、明確な回答が得られるでしょう。

どれだけ勉強しても、出題範囲の問題を、なかなか覚えられない方もいるでしょう。1回目の試験で不合格となってしまっても、他県で開催される調理師試験を受験し合格できれば、調理師免許を取得できます。しっかりと合格までのスケジュールを立てて、万全の対策を練るようにしましょう。

調理師試験はどんな試験?

調理師免許の受験資格をクリア!効率的な勉強法は?

飲食店で2年以上の実務経験を積むことができたら、いよいよ調理師試験を受験します

しかし、どのように勉強を重ね合格を目指せばよいのでしょうか。ここでは、調理師試験の効率的な勉強方法について確認していきます。

試験前に必要な準備期間

おおよそ、どれくらいの期間、調理師試験の勉強期間にあてればよいのでしょうか?もし、1年程度、みっちり勉強する必要があるのなら、早めに対策をしておく必要があります。

それなりに、暗記が得意な方なら、短期間で真剣に勉強すれば、合格できるかもしれません。

しかし、試験勉強を万全な状態にして、合格の可能性を高めたいと考えている方は、少なくとも調理師試験の半年くらい前からスケジュールを立てて、試験勉強をしていきましょう。

何を覚えれば合格できる?その出題範囲は?

そもそも、どんなことを勉強し覚えておけば、調理師試験に合格できるのでしょうか。

まずは、調理師試験の合格を目指せる参考書を1冊購入して読んでみることをお勧めします。全般的な知識が問われていますので、多くの人が見逃しがちな小さなコラムなども、まんべんなく出題される傾向があります。そのため、教科書に書かれていることは、絶対に一語一句見逃してはいけません。小さなコラムが出題されることがわかっているのなら、逆に集中的に勉強しておくことで得点として獲得できるため、すべて網羅しておきましょう。

試験を意識した実際の勉強法

調理師試験を合格するには、どのように勉強すれば試験勉強を効率的に進められるでしょうか。実際に、効果があるとされる勉強法は、下記の通りです。

ステップ1:勉強に使用する教科書を決定する。
ステップ2:1回目の勉強で、全体像を把握しておく。
ステップ3:全体像を把握し、特に苦手だと感じたところをリストアップする。
ステップ4:2回目は、しっかりと一言一句熟読していく。
ステップ5:特に苦手だと感じたところを中心に、テキストを徹底的に読み込む。
ステップ6:定着があいまいな部分を中心に、明確な知識を獲得していく。
ステップ7:調理師試験の1ヶ月前から過去問を解き始める。
ステップ8:最終的な調整をおこない、調理師試験を受験する。

このようなステップで勉強すれば、合格に近づくことができます。毎日、短時間でも結構ですので、少しずつ勉強していれば、きっと合格できるでしょう。

調理師試験の勉強法

一番早くて確実な調理師免許の取得方法は、調理師学校を卒業する事


調理師免許の取得はもちろん、実践力を兼ね備えたプロの料理人になるためのカリキュラムが京都調理師専門学校にはそろっています。 現場さながらの設備が整う環境で、ハンズオン・トレーニングをはじめとした独自の教育を展開。専門的な技術と知識を習得し、社会のニーズに応えた即戦力となる調理師を養成しています。

調理師免許を取得するのに、飲食店での2年の実務経験は必要ありません。なぜなら、調理師学校へ入学し必要単位を取得すれば、調理師免許を取得できるからです。

日本には、さまざまな調理師学校があります。その中でも、京都調理師専門学校は、京都府から指定を受けた本場京都の食が直接学べる調理師学校です。

京都調理師専門学校を卒業すれば、調理師試験が免除されるため、卒業と同時に、有資格者として就職できます。

なお京都調理師専門学校では、調理師免許以外にも、さまざまな難関試験を受験する環境も整備されています。講師の指導のもと、積極的に勉強すれば、あらゆる資格を取得した状態で卒業することも可能です。

そして、京都調理師専門学校は、卒業者の就職率も非常に高い!緻密なヒアリングのもとに最適な就職先を紹介するなど、就職へのバックアップ体制も整っているからです。それだけでも、入学する価値は充分にありますよね。2018年春から新しい校舎へ移り、最新の調理設備が整った環境で学ぶこともできます。

京都調理師専門学校の調理科コース

京都調理師専門学校では、料理の種類に応じて複数のコースに分かれています。それぞれの特徴をご紹介します。

和食・日本料理上級科

おばんざいから会席料理まで、幅広い和食・日本料理の調理法を習得できます。授業では旬の京野菜を使用し、素材の旨味や風味を活かしたり引き出したりする方法を学べます。

もっと詳しく和食・日本料理上級科のページを見る

フランス・西洋料理上級科(西洋料理上級科フランス料理専攻(2023年4月学科名変更予定))

フランス・西洋料理上級科では、西洋料理、フランス料理、イタリア料理の基礎を1年次に学び、知識や技術共にしっかりと身につけます。そして西洋料理全般に通用する技術や知識を身につけたうえで、2年次にフランス料理に特化した内容(地方料理から伝統料理、デザート、最新調理技術を含むレストラン実習等)を集中して学びます。卒業後はホテルやレストランの即戦力として活躍できます。

もっと詳しくフランス・西洋料理上級科のページを見る

イタリア・西洋料理上級科(西洋料理上級科イタリア料理専攻(2023年4月学科名変更予定))

イタリア・西洋料理上級科では、西洋料理、イタリア料理、フランス料理の基礎を1年次に学び、知識や技術共にしっかりと身につけます。そして西洋料理全般に通用する技術や知識を身につけたうえで、2年次にイタリア料理に特化した内容(地方料理から多種多様なパスタやピザ、デザート、最新調理技術を含むレストラン実習等)を集中して学びます。卒業後はホテルやレストランの即戦力として活躍できます。

もっと詳しくイタリア・西洋料理上級科のページを見る

調理師科

調理師科では、1年で約1,000時間の授業を受けて、調理の知識と技術を身につけます。最短で調理師免許を取得できて、いち早く第一線で活躍できます。4~7月は料理の基礎、8~11月は応用実習で技術を習得、12~3月はジャンル別に専攻を決めて、就職に役立つ専門的な技術の習得を目指します。

もっと詳しく調理師科のページを見る

調理師科 夜間部

調理師科の夜間部は、夜間に通って調理技術や知識を習得するコースです。働きながら調理師免許を取得できます。また、昼のアルバイト先も紹介できるため、働きながら一人前の調理師を目指したい方に向いています。

1日3時間の授業で1.5年かけてプロの調理師を目指せる専門学校は、関西では京都調理師専門学校だけです。

もっと詳しく調理師科夜間部のページを見る

京都調理師専門学校では、調理師免許の取得に必要な知識や技術をプロの調理師から学べる環境を用意しています。調理師免許を効率よく取得したい、就職サポートも受けたい方は、本校について詳しい情報をチェックしてみてください。

京都調理師専門学校学科紹介

京都調理師専門学校について詳しくはこちら

仲田 雅博

仲田 雅博

和食・日本料理特別教授。
大和学園ホスピタリティ産業振興センター センター長。
2003年度「京都府優秀技能者表彰(京の名工)」受賞。
2008年度「卓越した技能者表彰(現代の名工)」受賞。
2016年度「黄綬褒章」受章。

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